映画「二十世紀少年」の最終章を見てきた。
マンガの原作を途中まで読んでいたけど挫折したクチだ。
以後、僕の中では「浦沢直樹が話を広げすぎ、消化不良でグダグダになったマンガ」という評価になっていて、もちろん結末も知らなかったし、正直あまり興味が無かった。
今回も、マンガは知らないけど映画でファンになったという妻に連れられ、煮詰まっていたので付き合った、というのが正直なところ。
結末も、おおよそ予想の範疇を超えていなかった。
けれども見終わって数日が過ぎ、これがジワジワと効いてきた。
僕は中学一年の二学期から中学二年の終わりまでを、学校に行けずに過ごした「不登校児」だ。
当時は不登校という言葉は無くて「登校拒否児」と呼ばれていた。
「拒否」という強い理由ではなく「行けない」という消極的な理由で登校しない児童を、「拒否児」と呼ぶことに異論が唱えられたのは、僕がその一人であった頃よりも、ずっとずっと後の話。
今となってはわずかな時間だったけど、僕はそんな幼少期を過ごした。
このことは永年、大きなコンプレックスのひとつだったし、今なお、まだ少しはある。
二十世紀少年であるケンジたちの世界は、僕たち二十世紀少年の世界と、よく似ている。
浦沢が狙ったのが僕たち世代なんだから、そりゃ当然か。
年齢を重ねた今、ケンジの気持ちも「ともだち」の気持ちもよく分かる。
かつての僕がどんな状況下に居たのか、
「いじめっ子」たちの正体が何だったのか、
何をどうすれば、僕はあの閉塞感から抜け出すことができたのか。
…残念ながら、それを知ることが出来たのは、ずっとずっと後のことだ。
かつての彼らが今どうしているかは、交流が全く無いので分からない。
進学校だったので、何人かは大層なポストについているような気がするんだけど、残念ながらメディアで目にする機会はまだ無い。
逆に僕よりずっとみじめな現在を送っている人間も少なくないような気はする。
残念ながら、冒険活劇を期待していたファンの期待を裏切るには十分すぎる内容だった(+_+
見終わって、最初に妻に発した言葉は「これ、分かった?」だった。
妻もストーリーは追えたようだったけど、浦沢の狙ったシュールな世界観までは思い至らなかったっぽい。
なのでお勧めはしないけれども、時間があったら見てみて欲しいなと思った。
近い将来、浦沢の描いたような世界が、本当に来てしまったとき、きっと助けになると思う。
そしてそれは、僕たちの人生に、僕たちの将来に、とても、とても、大切なことだ。
…っちゅーか。
「スーダラ、グータラ」が耳ついて離れないっちゅーねんヽ(`Д´)ノ